光を浴びつつある現在、一方ではネットワーク上のデータの改ざん、盗聴等セキュリティ上の課題が懸念されているところから、こうした問題に対処するため、わが国において「暗号・認証実用化実験協議会(ICAT)」が1995年3月に設立された。ICATは、ネットワークセキュリティ対策としては、守秘義務と認証機能を持った暗号技術の活用が効果的であるところから、電子的取引の実運用に向けた基盤技術としての暗号技術や制度面の研究・開発を目標に産業界の呼びかけで設立されたものである。現在、50社以上の参加を得て、電子取引における本人認証のための公開鍵の登録・管理を実現するシステムのあり方および暗号方式の開発を具体的なテーマとして、主に技術的側面から検討が進められている。また、電子商取引を推進するためのECOMでも暗号・認証問題に関する暗号アルゴリズム等の調査・研究に取り組んでいるが、ICATはこれらとも協調しつつ電子取引の健全な推進に向けて寄与することとしている。